顔にも身体と同じように筋肉が在ります。
ただ、身体の筋肉との大きな違いは、その「働き」です。
身体の筋肉が、骨と骨を結んで、骨を動かしているのに対し、「表情筋」と呼ばれる顔の筋肉は骨と皮膚を繋いで皮膚を動かしています。
最新の英国の臨床研究により、顔の筋肉は57種類あることが報告されています。このうち、私たちが生じた感情を表情にする際、働く主な筋肉はわずか20種類程です。ただ、他の小さな顔の筋肉群は、休むことなく、皮膚下で動いています。
筋肉には自分の意思で動かすことができる随意筋と、自分の意思では動かすことのできない不随意筋があります。ただ、表情筋の性質として、これら随意筋と不随意筋のどちらの性格も合わせ持つ特殊な筋肉です。
また、筋肉には速筋線維と遅筋線維が在ります。速筋線維とは感情を表情にするにあたり、瞬発的に動かすために欠かせない筋線維のことです。一方、遅筋線維は脂肪等を支えハリを保っている持久力のある筋線維です。
表情筋は20歳を過ぎるころから衰えると言われており、日常生活では20~30%くらいの筋肉しか使われていません。
近年の臨床・研究実績により、表情筋を意識して動かすことが脳神経に良い刺激を与えることが発表されています。
日常生活で意識的に運動し、血流やリンパの流れを調え、良質な筋肉をつけることが大切です。